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棒状、霧状の放射とは?

ノズル先端からの放射パターンの違い

棒状と霧状で適応火災が変わる

ガソリンなどの油火災には、水(棒状、霧状)や強化液(棒状)を放射する消火器は使用できないとされています。

 

この『油火災には、水(棒状、霧状)や強化液(棒状)を放射する消火器は使用できない』という事項は、消防設備士通信講座乙種6類の法令(第6類)ならびに、消火器の構造機能のところでよく出題されます。

 

さて、『「棒状」と「霧状」とはどのような状態をいいますか?』というご質問を、「みのおか式消防設備士乙種6類通信講座」を受講している方からされることが多いです。

 

この「棒状」と「霧状」とは、消火器のノズル先端から放射される消火薬剤のパターンが「棒状になっているか?」「霧状になっているか?」ということです。

 

図に示すように、消火器のノズル先端からまっすぐに放射されるものが「棒状」、消火器のノズル先端から霧の状態でに放射されるものが「霧状」です。

 


消火器の棒状と霧状の放射
消火器の棒状と霧状の放射

「棒状」「霧状」では適応火災が変わります。

 

「棒状」では、「水消火器」「強化液消火器」ともに「電気火災」「油火災」には適応できませんが、「霧状」では、「水消火器」は「電気火災」に適応でき、「強化液消火器」は「電気火災」「油火災」に適応できます。

 

上記の『霧状の強化液消火器は「電気火災」「油火災」に適応できる。』という事項は、「消防設備士乙種6類」の「消火器の構造機能」ならびに「実技」のところでよく出題されます。

 

また、霧状の強化液消火器は「普通火災」にも適応でき、「普通火災」「電気火災」「油火災」すべての火災に適応できます。

 

この部分は、「消防設備士乙種6類」の「消火器の構造機能」「実技」のところで出題される頻度が大きいので、注意が必要です。

ノズルに切替式の装置を設けてはいけない

もう1点、「消火器のノズルに切替式の装置を設けてはいけない」という事項も、消防設備士乙種6類試験の「消火器の規格」のところでよく出題されます。

 

棒状→霧状、または霧状→棒状に切り替える装置は設けてはいけないという事も、頭に入れておいてください。

【補足説明】

消火器の霧状放射と棒状放射は、消火器のノズルから放出される消火薬剤のパターンの違いです。

 

霧状放射は、消火薬剤を細かい霧状にして放射する方法で、電気火災や油火災にも適応できる場合があります。

 

霧状にすることで、感電の危険が少なくなったり、消火薬剤の表面積が増えて抑制効果が高まったりします。

 

 

棒状放射は、消火薬剤を棒状にして放射する方法です。

 

棒状にすることで、消火薬剤の威力が強くなり、遠くまで届いたり、燃焼物に直接当てたりできます。

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