高圧ガス保安法って何?

■ 容器や配管が破裂する危険から守る
「高圧ガス保安法」とは、「高圧ガス」の取り扱いについて定めた法律をいいます。
消防設備士乙種6類試験でも、「高圧ガス保安法」に関する問題が出題されます。
ここで「高圧ガス」とは、ガスに高い圧力をかけて体積を小さくしたものです。
この「高圧ガス」を配管で送るとき、「ガス自身の圧力」で送るため、ガスを移送する装置は必要ありません。
しかし「高圧ガス」の圧力が容器や配管にかかるので、「容器や配管が破裂する」という危険があります。
このような危険から守るために高圧ガス保安法が定められています。

補足説明
■ 高圧ガス保安法の定義
高圧ガス保安法とは、高圧ガスによる災害を防止するため、高圧ガスの製造、貯蔵、販売、輸入、移動、消費、廃棄等を規制するとともに、民間事業者および高圧ガス保安協会による高圧ガスに関する自主的な活動を促進し、公共の安全を確保することを目的とする法律です。
高圧ガスとは、高圧ガス保安法第2条および高圧ガス保安法施行令第1条によって次のように定義されています。
【圧縮ガス】
常用の温度で圧力が1 MPa(メガパスカル)以上になるもので、現に1 MPa以上のもの。35 ℃で1 MPa以上となるもの。
【圧縮アセチレンガス】
常用の温度で圧力が0.2 MPa以上になるもので、現に0.2 MPa以上のもの。15 ℃で0.2 MPa以上となるもの。
【液化ガス】
常用の温度で圧力が0.2 MPa以上になるもので、現に0.2 MPa以上のもの。
0.2 MPaとなる場合の温度が35 ℃以下であるもの。
【その他の液化ガス】(液化シアン化水素、液化ブロムメチル、液化酸化エチレン)
35 ℃で0 MPaを超えるもの。
高圧ガスを扱う場合は、高圧ガス保安法に基づいて許可や届出が必要です。
また、高圧ガス製造保安責任者や高圧ガス販売主任者などの資格を有する者が必要です。
【関係リンク】
>>高圧ガスの定義や種類は?扱うのに必要な資格・取得方法も解説
■ 高圧ガス容器の塗色
高圧ガス保安法によると、高圧ガスを格納する容器は、安全性を確保するために特定の色で塗装される必要があります。
以下は、高圧ガス保安法に基づく一般的な塗色の指針です。
高圧ガスの種類 | 容器の塗色 |
酸素ガス | 黒色 |
水素ガス | 赤色 |
炭酸ガス | 緑色 |
アンモニアガス | 白色 |
塩素ガス | 黄色 |
アセチレンガス | 褐色(茶色) |
その他のガス | ねずみ色 |
高圧ガス容器の塗色については、高圧ガス保安法の容器保安規則第10条により、高圧ガスの種類や性質に応じて、黒、赤、緑、白、黄、褐色以外のねずみ色及びその他の色を容器の外面の2分の1以上に塗ることが定められています。
例えば、酸素は黒色、水素は赤色、炭酸ガスは緑色などです。
ただし、医療用の高圧ガス容器については、医療用機器・配管設備の色としてオレンジ色を使用することが一般的です。
【関係リンク】
■ 容器の塗色は消防設備士試験でよく出される
「みのおか式消防設備士乙種6類通信講座」を受講された方からの情報や私自身の経験から、「高圧ガス容器の塗色」に関する問題がよく出題されています。
■ 二酸化炭素消火器…容器表面積の1/2以上を緑色に塗色
■ ハロゲン化物消火器…容器表面積の1/2以上をねずみ色に塗色
この部分は必ず覚えてください。