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化学泡消火器についてのお話

化学泡消火器は必ず出題される

化学泡消火器は、過去の経験から、消防設備士乙種6類試験の「消火器の構造機能」及び「実技試験」で必ず出題されます。

 

ここでは、化学泡消火器について解説します。


□「機械泡消火器」と「化学泡消火器」は大きな違いがある

消火器の種類の1つに泡消火器があり、「機械泡消火器」と「化学泡消火器」に分けられます。

 

この「機械泡消火器」と「化学泡消火器」は、同じ泡消火器でも「外観や使用方法」に大きな違いがあります。

 

  機械泡消火器 化学泡消火器
外観 レバーがある レバーが無い
使用方法 レバーを握る    消火器本体を転倒させる   

□ 化学泡消火器の放射のしくみ

化学泡消火器の放射のしくみは、消火器本体を転倒させることにより、「外筒のA剤」と「内筒のB剤」が化学反応して、そのときに発生する二酸化炭素の圧力により泡を放射します。

化学泡消火器のしくみ
化学泡消火器のしくみ

ここで、「A剤水溶液」と「B剤の水溶液」の作り方について解説します。


1.A剤水溶液の作り方

①本体容器からキャップと内筒を外す

化学泡消火器の溶液の作り方
化学泡消火器の溶液の作り方

②外筒の液体表示の8割程度まで水を入れポリバケツなどに移す

化学泡消火器の溶液の作り方
化学泡消火器の溶液の作り方

③水の中に剤(炭酸水素ナトリウム)を徐々に入れて攪拌しながら溶かす。

外筒に水溶液を静かに注入し、液面表示に達するまで水を追加する。

化学泡消火器の溶液の作り方
化学泡消火器の溶液の作り方

2.B剤水溶液の作り方

①内筒の液体表示の半分程度まで水を入れポリバケツなどに移す

化学泡消火器の溶液の作り方
化学泡消火器の溶液の作り方

②水の中にB剤(硫酸アルミニウム)を徐々に入れて攪拌しながら溶かす。

→内筒に水溶液を静かに注入し、液面表示に達するまで水を追加する

→キャップと内筒を本体容器に戻す。

化学泡消火器の溶液の作り方
化学泡消火器の溶液の作り方

□ 化学泡消火器で注意する部品

化学泡消火器で注意する部品について解説します。

 

液面表示とろ過網は、化学泡消火器特有の部品です。

 

 

■ 化学泡消火器の外筒と内筒には、水溶液を作るために必要な液面表示が設けられています。

 

■ 水溶液は外で作るので、その時にゴミが入る可能性があります。

 

このゴミを除去するため、化学泡消火器にはろ過網が設けられています。

 

■ 化学泡消火器には安全弁が付いています。

化学泡消火器で注意する部品
化学泡消火器で注意する部品

「消防設備士乙種6類」試験に出題されやすい箇所については、「みのおか式消防設備士乙種6類通信講座」で解説しておりますので、ぜひお買い求めいただき勉強してみてください。

【補足説明】

化学泡消火器とは、消火薬剤の化学反応により生成される泡を放出して消火を行う消火器です。

 

外筒と内筒に別れた構造を持つ本体容器内に別々に消火薬剤(A剤、B剤)が貯蔵されています。

 

A剤は炭酸ナトリウムを主成分としたアルカリ性の水溶液

 

B剤は硫酸アルミニウムを成分とした酸性の水溶液です。

 

使用時に消火器本体を転倒させると、A剤とB剤が化学反応して二酸化炭素ガスと泡が発生します。

 

そのガスの圧力で泡をホースから放射します。

 

化学泡消火器は、A火災(普通火災)用とB火災(油火災)用に適応しています。

 

消火作用は窒息作用と冷却作用のみで、抑制作用はありません。

 

使用温度範囲は5℃以上で、低温では発泡状態が低下するため注意が必要です。

 

 

【関係リンク】

 

>>マルヤマエクセル株式会社

 

>>初田製作所