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天ぷら油火災について

天ぷら油火災とは

9月1日は「防災の日」です。

 

そこで、今回は「天ぷら油火災」について考えてみます。

 

天ぷら油火災は、調理中に油が過熱して発火する危険な火災です。

 

消防庁によると、2021年度に全国で発生した天ぷら油火災は、約1,000件で、死者3人、負傷者約500人を出しました。

 

東京消防庁管内では、2021年は176件の天ぷら油火災が起こり、65人が負傷したそうです。

 

大阪市では、2020年は35件の天ぷら油火災が発生しました。

 

天ぷら油火災の発生件数は、毎年増えたり減ったりしていますが、総火災件数に占める割合については変化がありません。

 

天ぷら油火災は、揚げ物をするときにガステーブルや電気コンロで油を加熱したまま、電話や来訪者の対応、他の用事などにより、しばらくその場を離れた時に多く発生しています。

 

また、初期消火時に水をかけるなどの不適切な消火方法により、負傷する場合が多いです。

 


□ 天ぷら油火災は油火災

火災には、普通火災、油火災、電気火災があります。

 

・普通火災…木材、紙など普通の可燃物の燃焼による火災

 

・油火災…ガソリンなど可燃性液体などの燃焼による火災

 

・電気火災…電気設備による火災

 

ここで、天ぷら油火災は油火災に分類されます。

 

 

なお、消防設備士乙種6類の試験では、各消火器の適応火災についての問題が多く出題されております。

 

消防設備士乙種6類の試験を受験される方は、ご覧になってください。

 

【関係リンク】

 

>>各消火器の適応火災について

 


□ 天ぷら油火災の消火方法

 天ぷら油火災の消火方法は、濡れた布をかぶせてなど酸素を遮断して消火する「窒息消火」が有効です。

 

 

また、天ぷら油火災に適応した「住宅用消火器」や「消火スプレー」を備えておくと、火災が起こっても慌てず対応でき初期の段階で火災を食い止めることができます。

 

>>消火スプレーの記事

 

なお、「天ぷら油火災の時、マヨネーズを鍋に入れると消火できる」ということがYouTubeなどで取り上げられていますが、「消えることもあるが、条件によってはより危険になる場合がある」のでお勧めできません。


□ 天ぷら油火災に水は使用できない

 

天ぷら油などの油火災に水は使用できません。

油に水をかけると、火災面が広がってしまいます。

 

天ぷら油火災が起こっても水で消火しないよう、注意が必要です。


□ 天ぷら油火災を防ぐために

天ぷら油火災を防ぐためには、以下の点に注意が必要です。

 

- 調理中や天ぷら油凝固剤を使用するときは、絶対にそばを離れない

 

- 揚げ物をするときは、過熱防止装置付きのコンロを使う

 

- いざというときのために、家庭に消火器を備える

 

- 住宅用火災警報器は、煙式の方が熱式よりも火災を早く感知できるので、台所などにも煙式を設置することが推奨されている

 

 

【関係リンク】

 

>> 東京消防庁 Tokyo Fire Department.

 

>> 天ぷら調理中に、火が上がってしまったら? 消防庁の注意喚起

 

>>大阪市:”天ぷら油” (…>トピックス(お知らせ)>注意喚起

 

>>天ぷら油火災(マヨネーズでの消火)|消防庁消防大学校