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安全弁についてのお話

消火器の安全弁とは?

消火器の中には、“安全弁”の付いた消火器があります。

 

「みのおか式消防設備士乙種6類通信講座」の受講者の方から「消火器の安全弁について教えてほしい」という意見がありました。

 

また、消防設備士乙種6類試験では、過去の経験より“安全弁”に関する問題は、筆記試験の消火器の構造機能の所でよく出題されます。

 

そこで、安全弁について解説します。

■安全弁は容器の破裂を防ぐもの

安全弁は、「消火器容器内の圧力上昇による容器の破裂を防止する」ために付けられています。

 

「安全弁の動き方」を図で解説します。

 

容器内の圧力が規定値より小さいとき、安全弁は動きません。

 

安全弁(容器内の圧力が規定値より小さい場合)
安全弁(容器内の圧力が規定値より小さい場合)

②何らかの原因、例えば外気の温度が上がって、容器内の圧力が規定値以上になった場合、安全弁が自動的に上昇して圧力を排出します。

安全弁(容器内の圧力が規定値以上になった場合)
安全弁(容器内の圧力が規定値以上になった場合)

③圧力が排出され規定値より小さくなると、安全弁が自動的に下降し、①の状態になります。

 

安全弁(規定値より小さくなった場合)
安全弁(規定値より小さくなった場合)

ここで、前述のように「安全弁は、消火器容器内の圧力上昇による容器の破裂を防止する」ために付けられています。

【補足説明】

 

安全弁とは、圧力機器や圧力配管において内部圧力が異常に上昇した際に自動的に圧力を放出させ内部圧力の降下とともに自動的に閉じる構造の弁です。

 

主に気体や蒸気などが入った容器や装置、配管などに使われ、内部の圧力が一定の基準を超えると弁を開いて内部の気体や液体を排出し、圧力が下がれば弁を閉じる機能を持ったバルブです。

 

安全弁は、構造上、おもり安全弁、てこ安全弁、ばね安全弁の3種類に分類されます。

 

用途別には大分類として、蒸気用・ガス用・液体用があり、各配管径に対応できるようになっています。

 

安全弁は、ボイラーや圧力鍋などの爆発事故を防ぐために重要な役割を果たします。

 

また、危険を前もって防ぐ働きをするものとして比喩的に使われることもあります。

 

〔リンク〕

 

>>安全弁とは?

 

 

□ ボイラーの安全弁

 

ボイラーの安全弁とは、ボイラー内の圧力が規定値以上に上がると自動的に開いて蒸気や気体を逃し、圧力が下がると自然に閉じる弁です。

 

ボイラーの爆発事故を防ぐために重要な安全装置であり、高い信頼性が要求されます。

 

ボイラーの安全弁は、ばね式安全弁が一般的であり、弁座部流路の揚程式とのど部流路の全量式とに分類されます。

 

 

ボイラーの安全弁は、ボイラー本体に直接取り付けることが原則であり、ボイラー本体と安全弁との間に切替弁を設けることは認められていません。

 

[リンク]

 

>>ボイラー本体と安全弁との間の切替弁の設置に係るボイラー構造規格

 

■安全弁のある消火器

安全弁のある消火器は、高圧ガス保安法の適応を受ける「二酸化炭素消火器」「ハロゲン化物消火器」のほか、化学泡消火器にも付いています。

 

この部分は、「消防設備士乙種6類」の筆記試験でよく出題され、今後実技試験でも出題される可能性が十分あります。

必ず覚えておいてください。

安全弁のある消火器
安全弁のある消火器

 

■ 消防設備士クイズ

【問】次のうち、「安全弁」の付いていないものはどれですか?

(1)転倒式化学泡消火器

(2)ハロン1301消火器

(3)蓄圧式機械泡消火器



【答え】

(3)蓄圧式機械泡消火器

 

蓄圧式機械泡消火器には安全弁は付いていません。