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防火対象物点検資格者と消防設備点検資格者の違いは?

防火対象物点検資格者と消防設備点検資格者の違い

■  防火対象物点検資格者と消防設備点検資格者は間違えやすい

消防設備士乙種の法令問題でときどき出題される「防火対象物点検資格者」と「消防設備点検資格者」どちらも「点検資格者」がついて間違えやすいです。

 

「みのおか式消防設備士乙種6類通信講座」を受講されている方から、「この2つの資格の違いについて詳しく解説してほしい」という要望がありましたので、まとめてみました。


■ 防火対象物点検資格者について

□ 防火対象物点検資格者とは?

防火対象物点検資格者は、「建築物や施設などの防火対象物」の点検を行うために必要な資格を持った専門家です。

 

平成13年新宿区歌舞伎町のビル火災の大惨事をきっかけとして、平成14年に消防法の一部が改正され、一定の防火対象物においては「防火対象物点検資格者」が火災予防に関係する事項などを総合的に点検し、報告することが義務付けられました。

□ 点検項目例

「防火対象物点検資格者」の点検項目例は以下の通りです。

 

●避難訓練を実施しているか。
●防火管理者を選任しているか。
●避難階段に障害物が置かれていないか。

□ 消防設備士乙種試験でよく出題される箇所

消防設備士乙種試験でよく出題される箇所は、以下の通りです。

 

防火対象物点検資格者になるためには、防火管理者、消防設備士、消防設備点検資格者で3年以上の実務経験があり、かつ登録講習機関の行う講習を修了しなければならない。

 

1年に1回点検を行い消防長または消防署長に報告する。

 

●点検対象防火対象物

 

・特定防火対象物で、収容人員300人以上のもの

 

・特定1階段等防火対象物 収容人員30人以上のもの


■ 消防設備点検資格者について

□ 消防設備点検資格者とは?

 消防設備点検資格者は、消防設備(火災を検知・通報し、鎮火や避難を支援するための設備)の点検や保守を行うために必要な資格を持った専門家です。

 

尚、一定の防火対象物に設置されている消防用設備などの定期点検は、消防設備士、消防設備点検資格者が行わなければなりません。

□  「消防設備などの定期点検」は消防設備士乙種試験でよく出題される

「消防設備などの定期点検」は消防設備士乙種試験でよく出題されています。

 

 

 【消防設備などの定期点検】

 

●下記の防火対象物は、定期点検を消防設備士、消防設備点検資格者が行わなければならない

 

・特定防火対象物  …… 延べ面積が1000㎡以上のもの

 

・非特定防火対象物 …… 延べ面積が1000㎡以上のものでかつ消防長または消防署長が指定したもの

 

・特定1階段等防火対象物 …… すべて

 

防火対象物点検資格者と消防設備点検資格者の違いのまとめ

防火対象物点検資格者はソフト面での点検であるのに対し、消防設備点検資格者はハード面(設備面)での点検となります。

補足説明

新宿区歌舞伎町のビル火災について

平成13年4月20日に、東京都新宿区歌舞伎町のビルで大規模な火災が発生しました。

 

この火災は、「歌舞伎町ビル火災」としても知られています。火災が発生したのは、歌舞伎町の繁華街に位置する複数階建てのビルで、飲食店やクラブなどの施設が入居していました。

 

火災は夜間に発生し、建物全体が炎に包まれるほどの大火となりました。

 

この火災により、近隣のビルや路上に多くの人々が避難し、消防署から多数の消防車が出動しました。

 

歌舞伎町ビル火災は、消防隊員の奮闘により、数時間後に鎮火されました。

 

しかし、火災によって複数の建物が全焼し、多くの被害が発生しました。